記事書くためのツール

AIに頼むと、メッセージはロボットっぽくなるのか?

たいていは、なります。AIに書き直させると、意味は残っても、あなたらしい書き方は消えていくことが研究でわかっています。なぜそうなるのか、相手は気づくのか、そして自分の言葉を守る方法をまとめました。

文 Samet Durgun · Subtextの共同創業者 · 10分で読めます

たいていは、なります。そして、なぜそうなるのかについて、初めてしっかりした研究が出てきました。AIモデルがメッセージを書き直すと、意味はおおむね残ります。残らないのは、あなたの言い方です。英語なら、I’mのような短縮形が消え、「I」の出番が減り、あなたのリズムを生んでいた小さな言葉が片づけられ、返ってくるのは誰に宛てたものでもよさそうな文章です。

私は、まさにこの問題を軸に作られたアプリ、Subtextを共同創業しました。なので、Subtextについて私が言うことは、そのつもりで割り引いて読んでください。そのかわりに私が差し出せるのは、研究をきちんと読み込んだこと、そしてそのすべてにリンクを張り、あなたが私の話を確かめられるようにしたことです。ここに書くのは、研究が示していること、示していないこと、そしてあなたにできることです。私たちのアプリを使う人にも、ChatGPTに下書きを貼りつける人にも当てはまります。

AIが書き直すと、メッセージに何が起きるのか

これまででいちばん大規模な研究は、2026年8月に『Nature Human Behaviour』誌に掲載されました。研究チームは88万件を超える文章を調べ、その中には、同じ文章を複数のAIモデルに「整えて」「もっとわかりやすく」「もっと自然に」といったプロンプトで書き直させる統制実験も含まれていました。中心となる内容は、そのまま残りました。残らなかったのは、人それぞれの書き方の多様さです。データセットとモデル全体で、文章の複雑さのばらつきは21%から50%縮み、文章から書き手の性別、年齢、政治的立場、価値観を推測する分類器は、書き直された文章では目に見えて精度が落ち、その誤りは多数派のプロフィールの方向に偏っていました(The shrinking landscape of linguistic diversity in the age of large language models)1。

この研究の書き直し実験で使われたのは、Redditの投稿と学術論文の要旨でした。2026年の小規模な研究は、まだプレプリントですが、よりメッセージに近いものを調べています。300篇の個人的な体験談を、主要な3つのモデルにそれぞれ書き直させたのです。パターンは毎回同じでした。短縮形が減る。一人称代名詞が減る。小さな機能語が減る。単語は長くなり、句読点は凝ったものになる。指示が「これを改善して」でも、ただの「書き直して」でも、関係ありませんでした。書き手の声を保つようにモデルに指示すると、効果はおよそ3分の1小さくなりましたが、方向は一度も変わりませんでした。そしてモデルは、自分が足したがるものを控えるより、自分が削りたがるものを守るほうが苦手でした(Voice Under Revision: Large Language Models and the Normalization of Personal Narrative)2。

反対方向を指す知見も二つあり、それも大事です。ChatGPT登場前後のニュース記事を調べた2025年の研究では、AIらしい単語は増えていたものの、使われた指標のうえでは語彙の多様さに測定できるほどの減少はありませんでした。つまり、この効果がいちばんはっきり出るのは統制された書き直しの場面で、現実の文章ではそれほどはっきりしません(Testing English News Articles for Lexical Homogenization Due to Widespread Use of Large Language Models)3。そして、共同執筆についての査読済みの実験では、エッセイ同士が似てきたとき、その似かよりはモデルが挿入した文章から来ていました。書き手自身が書いた部分は、以前と同じように多様なままでした(Does Writing with Language Models Reduce Content Diversity?)4。

役に立つのは、この二つ目の知見です。ダメージは、あなたの文を丸ごと置き換えることから生まれるもので、小さな手直しから生まれるわけではありません。

なぜ意味は残って、声は残らないのか

文体を研究する人たちは、二つのものを別々に扱います。ひとつは、メッセージが何を言っているか。もうひとつは、それがどう言われているかで、この「どう」はごくありふれた材料でできています。どんな日常語に手が伸びるか、文の長さとそのばらつき、句読点の癖、英語なら「kind of」や「honestly」のようなぼかし言葉、「I’m」と書くか「I am」と書くか、スラング、絵文字、文の途中で別の言語に切り替えること。オンラインの文章を扱った2021年の研究では、こうした癖は十分に一貫していて、何万人もの書き手で学習したモデルなら、短い投稿2つを見て、同じ人が書いたかどうかをたいてい見分けられることがわかりました(Idiosyncratic but not Arbitrary: Learning Idiolects in Online Registers Reveals Distinctive yet Consistent Individual Styles)5。

意味のほうは、そのどれも必要としません。だから書き直しは、意味を完璧に保ったまま、そのすべてを失うことができます。Natureの研究が測ったのは、まさにそれでした。何が言われたかは高い類似度を保ったまま、どう言われたかの多様さは崩れていたのです。

つまり「同じメッセージ」と「同じ声」は、別々の約束です。たいていのツールは一つ目しか約束しておらず、たいていの人は、二つ目が欠けていることに送信したあとで初めて気づきます。主要な3つのチャットボットがそれぞれあなたの言葉に何をするかは、別の記事にまとめました。ここで、そもそもこれが問題になるかどうかを決めるのは、次の問いです。

相手は実際に気づくのか?

この点の証拠は、思っていたより具体的でした。

人がテクノロジーをどう使うかを研究する分野の主要な国際会議であるCHIで2026年に発表された研究は、恋人同士の関係で、まさにこれを検証しました。パートナーからのメッセージを読む704人を対象にしたランダム化実験で、研究者たちは二つの条件を変えました。AIがトーンを軽く書き直しただけか、メッセージ全体を下書きしたか。そして、送り手がAIの助けを借りたと認めたかどうかです。AIが下書きした部分が多いほど、メッセージは一貫して送り手自身のものらしさも本物らしさも失い、わかりやすさや洗練度が上がっても、その埋め合わせにはなりませんでした。目を引いたのは謝罪についての結果です。軽く手を入れただけの謝罪で、送り手が「トーンはAIに手伝ってもらった」と言うと、読み手はそれをより本物らしく感じ、より許す気になりました。同じことを、AIがまるごと下書きした謝罪について言うと、どちらも下がりました。送り手自身の癖が多く残っているメッセージほど、本物らしさの評価は全体を通して高くなりました(Is It Still You? Attributing Authorship and Authenticity in AI-Assisted Romantic Communication)6。

2025年の別の研究が、その理由の一端を説明しています。399人がAIの助けを借りたと表示されたメッセージを読んだところ、その表示で送り手の印象が悪くなることはありませんでしたが、メッセージが送り手について何かを物語る証拠として扱われなくなりました。AIの助けなしの謝罪は温かく読まれ、AIの助けなしの相手を責めるメッセージは冷たく読まれました。そこにAIの表示を加えると、どちらも中立の方向に動き、まるでメッセージがその人について何も語っていないかのようでした(Explaining the Reputational Risks of AI-Mediated Communication)7。

AIを使ったと明かすこと自体にも、コストがあります。事前登録された13の実験で、AIを使ったと明かした人は、明かさなかった人より信頼されにくく、それは採点からデザインの仕事まで、さまざまな場面で見られました(The Transparency Dilemma: How AI Disclosure Erodes Trust)8。ただし、見知らぬ相手との信頼ゲームのような、感情的に中立で一度きりの場面では、AIの助けは、明かしても明かさなくても、信頼にほとんど影響しませんでした(Writing with AI boosts trust-building efficiency)9。

合わせて読むと、パターンは一貫しています。個人的なメッセージであるほど、まるごとの書き直しは高くつき、あなた自身の言葉に軽く手を入れることは助けになりやすくなります。とくに謝罪の研究はそれだけで一本の記事にする価値があったので、メッセージでどう謝ればいいのかにまとめました。

平板になる影響を、より強く受ける人がいる

第二言語で書いている人や、メッセージの中で言語を行き来する人なら、もうこれを感じたことがあるはずです。

2025年の実験では、インドとアメリカの118人が自分の生活について短いエッセイを書き、その半数強はAIの予測変換をオンにしていました。候補が表示される状態では、インドの書き手たちはアメリカのグループの書き方に寄っていき、自分たちの食べ物やお祭りを西洋の視点から描写するようになりました(AI Suggestions Homogenize Writing Toward Western Styles and Diminish Cultural Nuances)10。

これは英語で行われたひとつの研究で、すべての言語について語れるわけではありません。それでも、仕組みは見て取りやすいものです。モデルがあなたの文章でいちばん「直し」たがるのは、借用語や、第一言語から持ち込んだ言い回し、トルコ語やスペイン語でしか意味をなさない部分でトルコ語やスペイン語に切り替えるところです。そして、それこそがいちばんあなたらしい部分です。

アプリはあなたの書き方を学べるのか?

部分的には、学べます。そしてそれ以上のことを言う人は、私も含めて、疑ってかかるべきです。

これまででいちばん徹底したテストでは、OpenAI、Google、Meta、DeepSeekの主要なモデルに、400人以上の実際の文章サンプルを渡し、それぞれの人の文体で新しい文章を書かせました。例を見せることは大いに役立ちました。メールのような型のある文章では、著者判定ツールは95%を超える割合で、その模倣を本人が書いたものとして受け入れました。ブログ記事のようなくだけた文章では、判定ツールがだまされたのは17%から21%にとどまり、例を増やしてもほとんど変わらず、出力はありきたりなトーンへと戻っていきました(Catch Me If You Can? Not Yet: LLMs Still Struggle to Imitate the Implicit Writing Styles of Everyday Authors)11。2026年4月の別のベンチマークは、まだプレプリントですが、4つのパーソナライズ手法を、実在の人が自分自身とどれくらい似ているかと比べて採点しました。どの手法も、二人の別人が互いに似ている程度を下回るスコアでした(Theory-Grounded Evaluation Exposes the Authorship Gap in LLM Personalization)12。

だから、書き直しても完全にあなたらしいままだと誠実に約束できるツールはありません。ツールにできるのは、もっと狭くて、もっと役に立つことです。変えるのを最小限にとどめ、あなたの言葉を置き換えずにそこから出発し、何を変えたかを見せ、決めるのはあなたに任せることです。

Subtextは、そういう考え方で作りました。Subtextはやり取りとあなたの下書きを読み、何かを書き直す前に、そのメッセージがどう受け取られそうか、そしてあなたのどの言葉がそうさせているかを伝えます。そのうえで3つのバージョンを出します。最初のものはあなたが書いたものに近く、最後のものはもっと大きく言い換えたもので、どれもあなたの言い回しをどれくらい変えたかを示すので、目の前にあるのが手直しなのか置き換えなのかがひと目でわかります。どれでも「温かく」「短く」で調整できますし、コピーする前に「手動編集」を開いて自分で一語を直すこともできます。初期設定は軽い手直しです。読む相手の目に触れても持ちこたえるのはそちらだと、研究が示しているからです。ブラウザでSubtextを試す

どんなツールを使っても、自分の声を守る方法

どれも、ChatGPTを含めて、どのアプリでも使えます。

  1. いちばん小さな仕事を頼む。「文法と誤字だけ直して」と頼むのと、「これをよくして」と頼むのとでは、まったく違う結果が返ってきます。
  2. 残してほしいものを、はっきり言う。短縮形、「I」、絵文字、汚い言葉、言いさしの文。モデルは、ふだんなら削るものを守るほうが、足したがるものを控えるより苦手なので、名前を挙げておきましょう。
  3. まるごとの書き直しを、読まずに受け入れない。自分の下書きと一行ずつ比べ、まだ自分らしい行だけを採用します。
  4. 感情のからむものは、自分の下書きを土台にする。恋人同士のコミュニケーションの研究では、AIがトーンを軽く直した謝罪のほうが、AIがまるごと下書きした謝罪より好意的に受け止められました。
  5. 送る前に声に出して読む。相手の顔を見てその言葉で言えないなら、送らないでください。

同じチェックを代わりにやってほしいなら、AIメッセージチェッカーに何がチェックできるのか、そして自分でやる方法で順を追って説明しています。また、出回っているAIメッセージ書き換えツールを、書き直す前に診断するかどうかという基準で比較しました。

よくある質問

ロボットが書いたみたいにならずに、メッセージを言い換えてくれるおすすめのアプリは? 変えるのがいちばん少なく、どれくらい変えたかを教えてくれるアプリです。上の証拠からすると、あなたの文を置き換えるツールは、宣伝文句が何と言おうと、あなたの声を平らにしてしまいます。だから、下書きに近いままのバージョン、それぞれのバージョンがどこまで動いたかの表示、そして断ることのできる書き直しを探してください。私たちはSubtextをそのように作りましたし、上のチェックリストはどのアプリでも使えます。

AIっぽいありきたりな文章にしないで、自分の声でメッセージを書き直してくれるアプリはある? 部分的には、あります。現在のどの手法も、実在の人が自分自身とどれくらい一貫しているかには及ばないので、「あなた自身の声で」は信じてよい機能というより、試してみるべき主張として受け取ってください。現実的なのは、あなたの下書きから出発し、短縮形やぼかし言葉や絵文字を残し、それぞれのバージョンがあなたの言い回しからどこまで動いたかを表示するツールです。私ならそれを探しますし、Subtextがしているのもそれです。

書き直してもらっても、ちゃんと自分らしく聞こえるアプリはある? 私なら「たいていのものより近いけれど、完全に同じにはならない」と答えます。上の研究によれば、現在のどの手法も、実在の人の自分自身との一貫性には届かないので、あなたと見分けがつかない書き直しを約束するアプリは、約束しすぎです。手に入るのは、あなたの文から出発し、あなたの声を運んでいる癖を残し、どこまで動いたかを教えてくれる書き直しです。Subtextはそのように動き、最初のバージョンは意図して、あなたが打ったものにいちばん近いものにしています。

自分らしさを失わずに、メッセージをもっと温かくするには? 温かい書き直しを頼むのではなく、温かさを自分の言葉で足してください。声を奪うのは、まるごとの書き直しです。相手やその場面についての具体的なことをひとつ挙げ、そのまわりはいつもの言い回しのままにして、ツールを使うなら、メッセージ全体ではなく、冷たく読める一行だけを変えるよう頼んでください。

ChatGPTに頼むとメッセージが堅くなるのはなぜ? 流暢で平均的な文章を出すように訓練されていて、平均的な英語は、誰かがメッセージを打つときの言葉より堅いからです。書き直すと、誰も堅くしてほしいと頼んでいなくても、単語は長くなり、短縮形は展開され、一人称代名詞は減る方向に押されます。くだけた感じがほしいなら、くだけた感じにしてと頼む必要があり、手をつけないでほしい具体的なものの名前も挙げる必要があります。

AIを使ってメッセージを書いたと、相手に言うべき? AIがどれだけやったかによります。恋人同士のコミュニケーションの研究では、謝罪で軽くトーンを直してもらったと認めると、受け止められ方はよくなりました。AIがまるごと下書きしたと認めると、悪くなりました。言葉が自分のもので、AIはそれを整えただけなら、そう言っても問題はなく、むしろ助けになることもあります。AIが書いたものなら、誠実なのは、まず自分で書き直すことです。

日本語のメッセージでも同じ? 研究のほとんどは英語で行われているので、確かなことは言えません。唯一の異文化間研究では、AIの候補が書き手をアメリカ的な書き方へと引き寄せていました。ほかの言語で書く人や、言語を行き来する人にとっていちばん安全な習慣は、どの言葉や言い回しに手をつけてほしくないかを、ツールにはっきり伝えることです。

出典

上のリンクはすべて一次情報に向かっていて、番号は登場順です。プレプリントはそう明記しています。査読を経るまでは、その知見は暫定的なものとして扱ってください。

  1. Sourati, Z., Karimi-Malekabadi, F., Ozcan, M., McDaniel, C., Ziabari, A., Trager, J., Tak, A. N., Chen, M., Morstatter, F. and Dehghani, M. (2026). The shrinking landscape of linguistic diversity in the age of large language models. Nature Human Behaviour.
  2. van Nuenen, T. (2026). Voice Under Revision: Large Language Models and the Normalization of Personal Narrative. arXiv preprint 2604.22142.
  3. Fitterer, S., Gangl, D. and Ulbrich, J. (2025). Testing English News Articles for Lexical Homogenization Due to Widespread Use of Large Language Models. ACL 2025 Student Research Workshop.
  4. Padmakumar, V. and He, H. (2024). Does Writing with Language Models Reduce Content Diversity? ICLR 2024.
  5. Zhu, J. and Jurgens, D. (2021). Idiosyncratic but not Arbitrary: Learning Idiolects in Online Registers Reveals Distinctive yet Consistent Individual Styles. EMNLP 2021.
  6. Fan, G., Liu, D. and Pan, L. (2026). Is It Still You? Attributing Authorship and Authenticity in AI-Assisted Romantic Communication. CHI 2026.
  7. Khadpe, P., Wenzel, K., Loewenstein, G. and Kaufman, G. (2025). Explaining the Reputational Risks of AI-Mediated Communication: Messages Labeled as AI-Assisted Are Viewed as Less Diagnostic of the Sender’s Moral Character. AIES 2025.
  8. Schilke, O. and Reimann, M. (2025). The Transparency Dilemma: How AI Disclosure Erodes Trust. Organizational Behavior and Human Decision Processes, 188.
  9. Purcell, Z. A., Jakesch, M., Dong, M., Nussberger, A.-M. and Köbis, N. (2025). Writing with AI boosts trust-building efficiency. iScience, 28.
  10. Agarwal, D., Naaman, M. and Vashistha, A. (2025). AI Suggestions Homogenize Writing Toward Western Styles and Diminish Cultural Nuances. CHI 2025.
  11. Wang, Z., Tripto, N. I., Park, S., Li, Z. and Zhou, J. (2025). Catch Me If You Can? Not Yet: LLMs Still Struggle to Imitate the Implicit Writing Styles of Everyday Authors. Findings of EMNLP 2025.
  12. Sawant, Y. G. (2026). Theory-Grounded Evaluation Exposes the Authorship Gap in LLM Personalization. arXiv preprint 2604.26460. ICML 2026のCTBワークショップに採択。